今年も目黒川の桜は美しい!
「桜まつり」が中止でも、ぼんぼりが飾られていなくても、多くの人に愛されている目黒川の桜。この美しい桜たちに問題が起きていることを、みなさんはご存知でしょうか?
毎年「目黒さくら特集」をお送りしている目黒駅前新聞ですが、今年は少し変わった角度から「さくら特集」をお送りしていこうと思います。
目黒川のソメイヨシノの樹齢問題について
今回、目黒川沿いの桜が抱える問題について、目黒区役所みどり土木政策課の角田瑛さんにお話を伺ってきました。
角田さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
目黒区内には目黒川沿いだけでなく公園や緑道など、多くの桜が植えられていますね。
はい。特に目黒区内の目黒川沿いには約800本ほどの桜が植えられています。
目黒川沿いの桜の、現在の状況を教えて下さい。
目黒川沿いの桜は、老齢化や環境の変化などにより、樹勢の低下が目立つようになっているんです。
樹勢の低下……
はい。特に目黒川沿いの桜の特徴として、密に植えられていることが挙げられます。
密? 樹と樹との間隔が狭い、ということでしょうか?
そうなんです。樹と樹が近くて間隔が狭いので、開花の時期は見応えがあってみなさんに喜んで頂いてますが、桜にとってはのびのびと成長しにくい環境にあります。
そうなんですね。確かに途切れなく桜が咲き誇っている様は圧巻ですが、桜にとってはあまり良くない状況なんですね。
上流と下流で異なる現状
老齢化等での倒木の危険等はどうなのでしょうか? 樹齢は60年と聞いたことがあるのですが。
老齢化に関しては、特に目黒川上流で問題視されていて、今後10年で多くの桜が樹齢60年をむかえます。しかし、一概にソメイヨシノの樹齢が60年ということではないんです。
そうなんですか!?
生育環境いよって変化すると考えられていますので、環境が良ければもっと長生きしてくれます。
なるほど、そういうことだったんですね。
樹勢回復を目指して
とは言え、樹齢60年を超えた樹もありますから、目黒区では、「めぐろサクラ再生プロジェクト」の一環で樹木診断をしています。
樹木診断! 結果は、どうでしたか……?
やはり、弱ってきている桜もあると結果が出ています。
どうにかしないとですね……
地域住民の方と一緒に、今後の桜の将来像について検討会も開催しました。その中で、目黒川沿いの桜においては、密になってしまっている環境改善を行なっていこうということになりました。
樹齢を伸ばす取り組みですね!
はい。根元の保護や剪定、土壌改良をすることで、樹勢回復を促し現在の桜たちに少しでも長生きしてもらえるよう保全活動をしています。
もちろん、倒木の危険のある桜は伐採ということになってしまいますが……。現在、新木は3本ほど植えています。
今ある桜たち、長生きして欲しいですね。ちなみに新木の品種は……?
目黒川の桜に関しては、やはりみなさんソメイヨシノを希望されていますので、ソメイヨシノを中心として植え替えを進めていきます。
そうですよね。わかります!その気持ち。笑
そうなんです。ですので、植え替える際は、今より間隔を十分に開けて将来のことも考えて行なっていかなければなりません。
「ふるさと納税」で私たちも目黒川の桜を守れる!
私たち個人でもできる活動の一つとして、ふるさと納税で桜を守れるとお聞きしましたが。
はい。「目黒のサクラ基金」は、目黒の桜を後世に伝えていきたいというお気持ちを寄付金という形でお寄せ頂くものです。桜の保全や植え替え等費用に当てさせて頂いています。
ふるさと納税ということは、何かお礼の品がありますか?
現在は桜のストラップになります。伐採した桜を再利用していますが、再利用の桜は目黒川沿いの桜を使用し、一緒に同封している台紙は、目黒川の桜をイメージしました。
お!そこ重要ポイントですね!笑
やはり目黒川の桜は特別感ありますよね!
ちょっとこだわってみました。
ふるさと納税以外にも、郵便振替や、各地区サービス事務所や目黒区総合庁舎6階当課窓口に募金箱を設置しています。
将来のために、少しでも協力できるよう私も募金します!
本日はお忙しい中、お時間とって頂きありがとうございました。
ありがとうございました。
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伐採によって今の桜並木がなくなってしまったらどうしようと不安に思っていましたが、今ある桜たちを大切に育てていくことで、目黒川の桜の風景を後世に受け継いで行けるとわかり、安心しました。
目黒駅前エリアは目黒区品川区港区の3つの区が入り混じっているため、地元にいるにも関わらず他区の情報は入りにくくなっています。今回品川区港区の住民さんにも、目黒区の活動を知って頂き、少しでも目黒川の桜について考えてもらえたら嬉しいです。