目黒駅上空450mを飛行機が飛ぶ!? 羽田空港国際線増便に伴う飛行経路変更に関する問題<後編>

2020年までに、羽田空港への飛行経路変更に伴い、目黒駅上空450mを飛行機が飛ぶという計画が進められています。

概要については、前回の記事で詳しくご紹介しました。
こちらをご参照ください。

≫目黒駅上空450mを飛行機が飛ぶ!?
羽田空港国際線増便に伴う飛行経路変更に関する問題<前編>

この計画において気になるのは

  • 騒音
  • 安全性
  • 不動産価格が下落しないか

の3点です。

地域住民が抱えるこれらの問題を、この計画を進める国土交通省航空局はどのように考えているのかをお聞きすべく、2016年1月22日に「大崎ニュー・シティ1階イベント広場」で行われた「羽田空港機能強化に関する説明会・第2フェーズ」にお伺いしました。

騒音について

対応してくれたのは、国土交通省航空局航空ネットワーク部首都圏空港課の柿沼宏明さん。

懸念される騒音については、「直接こちらで聞こえ方をご確認ください」と、用意されていた再生機器を使い、実際に同じ程度の高度を飛んでいる飛行機が通る様子を聞きました。

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説明会に用意されていた再生機器。飛行機が飛ぶ様子を見ながら、ヘッドフォンを使って音の聞こえ方を確認できる

音の聞こえ方には個人差があり、同程度の音量でも不快に思う人がいれば何とも感じない人もいます。

そのため、私の聞こえ方はあくまでも個人的な感想であるとまずお断りいたしますが、

ヘッドフォンで高度2,000フィートを飛行機が飛ぶ音を聞いた私の感想は、

ゴーという低音が数秒に渡って鳴り響き、正直に言って「不快」であると感じました。

これが4分に1回、4時間もの間中鳴り響くとなると、生活に支障をきたすレベルの不快感となる可能性が高いと思われます。

騒音に関する対策として、

  • 低騒音機の導入を促すため、音の静かな航空機の空港使用料を安くする方策を検討している
  • 着陸を開始する高度を引き上げることで騒音の影響を小さくすることができるか検証する
  • Lden62db以上の騒音影響を目安に対象区域を指定し、住宅の防音工事を国が助成する

としています。

また、現段階では、目黒駅上空を飛んで着陸する「A滑走路(下図、左のピンクのライン)」に比べて、品川駅、白金高輪駅、表参道周辺上空を飛んで着陸する「C滑走路(下図、右のピンクのライン)」の方が大幅に使用頻度が高く、こちらは1時間に31便程度、つまり2分に1回以上の頻度で飛び交うことになっています。
(下図参照のこと)

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「このバランスを是正してほしい」という要望が届いているため、便数の振り分けによって「目黒駅上空は1時間に13便程度」という便数も、これより増える可能性もあるようです。

安全性について

飛行機の事故については、

  • 1985年の日航機墜落事故以降、日本の定期航空会社による乗客死亡事故は発生していない
  • 世界的にも航空死亡事故は(長期的に見て)減少傾向にある
  • 外国の航空会社についても、国際基準に基づいて安全監督を実施し、国際基準を満たしていなければ羽田空港に乗り入れることはできない

とし、「安全の確保を最優先とし、高い緊張感を持って日々の安全対策にあたる」としています。

また、東京都心の人口密集地域に飛行機が飛び交うことで、テロやハイジャックへのリスクが高まると指摘する専門家いますが、
(参考:東京の空が危ない!このままでは9.11テロの標的に―国土交通省が進める「都心上空飛行解禁」の危険性を問う

この問題については、国土交通省航空局の柿沼さんによりますと、

都心上空に新たに飛行経路を設定することでリスクが高まる、ということはありません」とのことです。

不動産価格が下落しないか

これまでにはなかった騒音や安全面でのリスクが伴うことで、該当するエリアの不動産価格が下落するのでは、と懸念される方も多いと思われます。

この問題に関しては、

  • 不動産価格は社会的要因、経済的要因、行政的要因やそもそもの需要と供給のバランスなどの経済情勢を含めた様々な要素が組み合い、決定される
  • そのため、航空機の飛行と不動産価値の変動との間に直接的な因果関係を見出すことは難しいと考えられる

と、国土交通省航空局が発行するパンフレットにはっきりと明記されています。

「直接的な因果関係を見出すことは難しい」という文言は、様々な場面でよく使われるフレーズです。

仮に航空機の飛行によって不動産価値が下落したとしても、

「その下落が航空機の飛行によるものだという因果関係を見出すことはできない」という見解が出されることが考えられます。

◆ ◆ ◆

騒音に関しては、「聞こえ方には個人差があるので、不快に思う人もいればそうでない人もいる」という見解、

安全性に関しては「安全第一に考えている、都心上空を飛ぶからと言ってテロが増えるとは考えられない」、

不動産価値に関しては「航空機の飛行と不動産価値の下落に関しては因果関係を見出すことは不可能」

とし、全てにおいて納得させられるだけの根拠は提示されていない、という印象でした。

説明会に来られる方の中には、反対意見をおっしゃる方、それでも多くの人の利便性向上のためにはある程度我慢するしかない、とおっしゃる方など、様々な意見が寄せられているようです。

本日1月31日をもって、説明会は全て終了いたしました。

しかし、意見の募集は引き続き行っているようです。
国土交通省は、

ホームページ、説明会等を通じて寄せられたご意見については、皆様と広く共有します。
ご意見を踏まえながら、環境影響等に配慮した方策を模索します。

としています。

この計画は、

私たちのこれからの日常生活に

多大な影響を与えると思われる大きな問題です。

あなたのご意見で、計画が変更になったり、改善されるかもしれません。

ぜひ、皆さまの率直な意見を、国都交通省 交通課の意見受付窓口

『羽田空港のこれから』に関するご意見

まで、ぜひお送りください。

◆ ◆ ◆

目黒駅前新聞では、引き続きこの問題について取り組んでまいります。

国土交通省航空局が出した3点の見解について、専門家の方々からも意見を集めながら、検証していければと考えています。

今後とも、目黒駅前新聞にご注目ください。

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